信州大学 心筋再生研究への資金プロジェクトを公開

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画像はクラウドファンディングページより

 2024年1月15日、信州大学医学部再生医科学教室の柴祐司氏が主導する「心不全に対する心筋再生 iPS細胞実用化への課題解決を目指す研究」が、READYFORクラウドファンディングプラットフォームで公開された。プロジェクトの募集期間は60日間で、目標金額は600万円。

このプロジェクトは、国内外で増加する心不全に対し、再生医療による根本的な治療法を提供することを目指すものとしている。現在、iPS細胞を用いた心筋再生の臨床研究が行われており、これらは治療の安全性を確認するための初期的な段階にあるそうだ。しかし、実用化にはまだ多くの課題が残っている。特に、心筋細胞の移植後の免疫抑制剤の適切な使用法の確立や、動物愛護の観点から高い基準を満たす霊長類を用いた心筋再生研究が必要とされている。

このプロジェクトの目的は、昨今の物価上昇に伴う研究費用の高騰により、公的な競争的研究費だけでは研究の継続が困難な状況にある中、幅広い支援を得て、心筋再生研究を進めることとしている。特に、実験に用いる霊長類であるカニクイザルの需要が、中国や新興国で高まり、その価格が高騰しているためだという。信州大学医学部では、循環器内科、心臓血管外科、再生医科学教室が一体となって、心不全に対するiPS細胞を用いた再生医療研究を行っており、これまでにも顕著な研究成果を発信しているとのこと。

クラウドファンディングは、寄付型の形式をとっており、目標金額を達成した場合のみ、実行者は集まった寄付金を受け取ることができる(All-or-Nothing方式)。この方式は、プロジェクトが目標金額に達しない場合、支援者に寄付金が返金される。